14-15シーズン選手総評・A (2)
34番 フランシス・コクラン 評価・A
出場 ゴール アシスト イエロー
キャピタルワンカップ 1 0 0 0
FAカップ 5 0 0 1
チャンピオンズリーグ 2 0 0 1
プレミアリーグ 22 0 0 5
リーグ戦績
合計 | 22試合出場(1662分間) 0 ゴール | |||
出場試合勝率 | 72.7% (チーム平均:57.9%) | |||
先発試合勝率 | 73.7% (チーム平均:57.9%) | |||
出場試合平均勝ち点 | 2.32 (チーム平均:1.97) | |||
先発試合平均勝ち点 | 2.32 (チーム平均:1.97) |
帰ってきたウルトラマン。いや帰ってきたフランス人?カラータイマーは付いていないがM-78星雲に放置してきたのだろうか。
地球を救うヒーローならぬ、ガナーズを救うアンカー。Mr冷静と情熱の間フランシス・コクラン
ハッキリと失敗に終わったドイツ・フライブルクへのローンを経て戻ってきた男は
プレシーズン中のプレイもいまいちパッとしなかった。
シーズン序盤戦に出番はなく、そうこうしてる内に2部のチャールトンへローンに出される
「ガナーズでのコクランはもう終わってしまったのか・・・」と誰もが思っていた矢先、不測の出来事が起こる。
アルテタ・ウィルシャー・ラムジーとCMFが軒並み負傷で離脱。フラミニを残して以下全滅と言う緊急事態が発生。
里に出されて奉公するはずだったコクランは一ヶ月程で急遽チームに呼び戻されることとなった。
さてこの時の元スタンダール・リエージュ、現チャールトンの若きイスラエル人監督ガイ・ルゾン氏の指導がよほど良かったのか
理由は定かではないが、ともかく戻ってきたコクランは覚醒した状態で戻ってきた。
パン パパパパーン パパパパーン パパパパーン ダン ダダッダダー ダダッダダー
胸に~~ つけ~~てる~ マークは 流星~~~♪
12月13日第16節ニューキャッスル戦に途中出場したのを皮切りに、17節18節と連続で使われ19節アウェー・ウエストハム戦でスタメン起用。以降シーズン終了までポジションを不動のものにする。
戻ってきてからのコクランは力強い寄せ、読みの良いインターセプト、
空中戦、セーフティタックルとボール奪取とクリアランスが冴えまくっていた。
それは長らくチームに欠けていた「中盤の力強さ」を取り戻した瞬間だった。
当初僕は「これは火事場の馬鹿力みたいなもんで、そんなに持続しないのでは」と思っていたが
それがハッキリと間違いだったと分からせてくれたのはエティハド戦だった。
強豪、取り分け難攻不落と名高かったエティハドでコクランは好プレーを連発してるじゃないか、と。
あの時ヴェンゲル構想の4-1-4-1のラストピースにアンカーコクランが「ガチッ」とハマった音が聞こえた気がする。
コクランの良い所は味方がゴール決めたら誰よりも喜んで吠えまくったり
相手がフィジカルバトルを仕掛けてきたら「おう望むところよ」とすぐやり返ような、熱い部分と非情にクレバーに動いてボールの取り所はここだと、的確迅速にボールを奪う、冷静な部分が渾然一体となっている所。そこが凄く良い。
戻ってきてからのプレイはマティッチに引けを取ってない数字を残した。プレミア屈指のDMFへと一気に変貌を遂げつつある。
来季はシーズンを通してその才能を如何なく発揮して頂きたい。
12番 オリビエ・ジルー 評価・A
出場 ゴール アシスト イエロー レッド
コミュニティーシールド 1 1 0 0 0
FAカップ 5 3 1 0 0
チャンピオンズリーグ 3 1 0 0 0
プレミアリーグ 27 14 3 5 1
リーグ戦績
合計 | 27試合出場(1866分間) 14 ゴール | |||
出場試合勝率 | 66.7% (チーム平均:57.9%) | |||
先発試合勝率 | 66.7% (チーム平均:57.9%) | |||
出場試合平均勝ち点 | 2.19 (チーム平均:1.97) | |||
先発試合平均勝ち点 | 2.19 (チーム平均:1.97) |
Mrヤリチン Mr3P 何故かパンツの絵柄がソニックザヘッジホッグだったりする男 フランス代表CFオリビエ・ジルー。
デシャンにかかれば仏代表でウィングもこなしたりする器用なところもある。
がアーセナルに於いては専らアーセナル特化型の極端なポストプレイヤーの役割を。
シーズン序盤早々に怪我で離脱。開幕戦と続く2節目は途中出場、以後またしばらく戦列を離れる。
復帰戦は11月22日のオールドトラフォードで途中出場(ゴールも奪った)翌節11月29日のWBA戦で今季初のスタメン復帰。
このシーズン早々のジルー不在がチームに響いた。ジルーがスタメン復帰する13節までのチーム成績は12戦4勝5分3敗 と中々の酷さである。
如何にジルーがチームにとって貴重な選手であるかという事の証左だったかもしれないがそれはあまり嬉しくない証であった。
復帰してからのジルーはコンスタントにゴールを量産。出遅れたが結果チーム2位のスコアラーに。
ジルーの最も良いところは自分ではなく周りを活かす事を常に考え続け、徹頭徹尾それに終始するところ。
自分がどれだけ犠牲になろうがチームに利すればそれで良しという姿勢。私欲というものがない。
人はエジルを「無我の人」と言うが、僕に言わせればオリビエ・ジルーも相当な「無我の人」だと思う。
今季終了間際まで今までチームが抱えてた問題「ジルー以外の選手をトップに置く積極的な理由がない状況」を
あの鉄砲玉がついに打ち破った感がある今(僕は当初、それはウェルベックが担うべき役割だと思っていたが結果的にウォルコットだった)
来季は相手に合わせてジルーかウォルコットかを選択出来るようになり、
または前半後半に分けてジルーかウォルコットかを選べる状況になったかもしれない。これは大きなポイントである。
個人的には4-4-2 2トップのジルー・ウォルコットを見たいんだけれども、まあそこはヴェンゲルの意向次第。
17番 アレクシス・サンチェス 評価・A
出場 ゴール アシスト イエロー
コミュニティーシールド 1 0 0 0
キャピタルワンカップ 1 1 0 0
FAカップ 6 4 3 1
チャンピオンズリーグ 9 4 1 1
プレミアリーグ 35 16 8 4
リーグ戦績
合計 | 35試合出場(2949分間) 16 ゴール | |||
出場試合勝率 | 57.1% (チーム平均:57.9%) | |||
先発試合勝率 | 58.8% (チーム平均:57.9%) | |||
出場試合平均勝ち点 | 1.97 (チーム平均:1.97) | |||
先発試合平均勝ち点 | 2.00 (チーム平均:1.97) |
14年夏バルセロナから移籍金3500万£で加入。2列目より前ならどこでも出来るチリ代表アタッカー。趣味はハメ撮り。
なんでもヴェンゲルがブラジルW杯期間中わざわざブラジルまで行ってサンチェスを直接口説いたらしいが真偽の程は定かではない。
加入一年目でチームトップスコアラーに。52試合25ゴール12アシストと、いきなり37点絡みは十分な数字。
また負傷も少なくほとんどチームを離れることなくシーズンを通して大きくチームに貢献したのではないだろうか。
ただ一月終盤の負傷と、初めてのウィンターブレイクの無いプレミアリーグで限界が来たか。
2月頃からガクっとコンディションが落ち、体のキレは失われつつあった。
次第にボールロストは目立ち、終盤戦はほぼ毎試合のようにチーム内ワーストパス成功率になってしまった。(チャレンジパスを多く出す選手ではあるがそれにしても・・・)
やはりどこかでハッキリと休養を取らせるべきだったが、本人が頑なに固辞した事もあって(あのヴェンゲルが珍しく休暇許可まで出したのに)結果的には前半戦のような体のキレが戻る事なく終わった。
また休む間もなくコパ・アメリカに出向かなければいけないので(しかも2年連続で)すごく心配である。
この人抜きは語れないアーセナルの14-15シーズンと言える。
シーズン序盤から不調にあえぐチームを(なによりも得点という形で)牽引し、
闘魂溢れるチェイシングとプレス、切れ味鋭いドリブルでの局面突破、正確無比なシュートと決定力、繰り出されるキーパス、アシストも多く作った。
来季はもう少し大切に使いたい。極めて重要な選手なので。
14-15シーズン選手総評・A(1)
6番 ローラン・コシェルニー 評価・A
出場 ゴール アシスト イエロー
コミュニティーシールド 1 0 0 0
FAカップ 5 0 0 0
チャンピオンズリーグ 6 0 0 0
プレミアリーグ 27 3 0 4
リーグ戦績
合計 | 27試合出場(2289分間) 3 ゴール | |||
出場試合勝率 | 63.0% (チーム平均:57.9%) | |||
先発試合勝率 | 61.5% (チーム平均:57.9%) | |||
出場試合平均勝ち点 | 2.11 (チーム平均:1.97) | |||
先発試合平均勝ち点 | 2.08 (チーム平均:1.97) |
Mrタックラー。出場時間トータル3355分でイエロー4枚て結構少ないんスね。
(言うて前季も3945分で黄色3枚、赤1枚なんで、まあこんなもんスか?)
前半戦は度重なる負傷により、何度も戦列を離れたので
まともに稼働し始めたのは14年末頃からとなった。
「ああいう時、こういう時、ああコシェルニーが居ればなと」ファンに幾度となく思わせたのでは。不在時にちゃっかり株を上げた感のある憎いフランスの伊達男。
しかし本格復帰以降のチーム戦績はそれ以前と比較して如実に良くなってる。
12月28日のウエストハム戦を皮切りに、21節・22節・23節のリーグ3連勝、その後の8連勝。年明け以降のチームの反転攻勢に大きく寄与した。
今季一番印象的だったプレイはもちろんこれ。
はい、ありがとうございました。
出場した39試合の内17試合がクリーンシートですって。
(逆算するとコシェ不在時のクリーンシート率がかなり低い)
あんまり怪我するとメルテザッカーが泣いてしまうので、来季はBFGを泣かせないようにしましょう。
13番 ダビド・オスピナ 評価・A
出場 CS
キャピタルワンカップ 1 0
FAカップ 1 1
チャンピオンズリーグ 3 1
プレミアリーグ 18 8
全コンペティションで受けたカードは無し。
リーグ戦績
合計 | 18試合出場(1620分間) 0 ゴール | |||
出場試合勝率 | 72.2% (チーム平均:57.9%) | |||
先発試合勝率 | 72.2% (チーム平均:57.9%) | |||
出場試合平均勝ち点 | 2.33 (チーム平均:1.97) | |||
先発試合平均勝ち点 | 2.33 (チーム平均:1.97) |
14年夏にフランスのニースから移籍金300万£で加入。コロンビア代表GK。
オオオオオーーーーーースピィナ!!!
と言う発射台のような名前の持ち主。
加入から早速負傷で戦列を離れるあたり、ある意味ガナーズにすぐ馴染んだと言える。当初は第2GKだし・・・まあ別に、ぐらいな扱いだった。
シュチェスニーがユナイテッド戦でギブスと衝突しアウト、急遽第3GKマルティネスと交代しばらくマルティネスが使われるがアウェイ・ストーク戦でまさかの3失点。
再びシュチェスニーがGKを務めるがアウェイ・セインツ戦にて大失態+ドレッシングルームでスモーキンブギ。
で、ようやくこのコロンビアーノにお鉢が回るのだった。
その安定したポジショニング、読み、ハイボール処理、飛び出し判断の的確さ、ロングフィード、ロングカウンター発動の第一手となるロングスロー。
1、2試合見ればすぐに分かる「あ、こいつは本物だな」と。総合力の高いGK。
本格的に稼働したのは15年に入ってからだが、すでにして守護神の座を不動のものにした感がある。
リーグ戦は出場18試合で失点数は11点 クリーンシート数は8 また出場試合勝率は72.2% 出場試合平均勝ち点は2.33点と高い。
来季も是非、その調子でひとつお願いします。
18番 ナチョ・モンレアル 評価・A
出場 ゴール アシスト イエロー
コミュニティーシールド 1 0 0 0
FAカップ 4 1 0 0
チャンピオンズリーグ 6 0 0 3
プレミアリーグ 28 0 1 3
リーグ戦績
合計 | 28試合出場(2311分間) 0 ゴール | |||
出場試合勝率 | 60.7% (チーム平均:57.9%) | |||
先発試合勝率 | 61.5% (チーム平均:57.9%) | |||
出場試合平均勝ち点 | 2.07 (チーム平均:1.97) | |||
先発試合平均勝ち点 | 2.08 (チーム平均:1.97) |
シーズン序盤戦から終盤戦にかけてチームに貢献したリトルクラウチ。
いやホントにこの人にかなり助けられたんですよ今シーズン。居てくれて良かったそれがナチョ。
プレシーズン中に一応CBポジションでプレイしていたが、
コシェの不在でまさかこんなに早く公式戦でCBポジションをやるとは本人も予測してなかったのではなかろうか?
時にCBで、時にLBで、とにかく出場すれば如何なポジションであろうと常に自分の持ってるものを出し切ってくれたように思う。
印象的だったのはCLグループリーグ・アンデルレヒト戦でのギブスのゴールに
その時CBを務めていたナチョが真っ先に駆け付けて祝福したシーン。
「よくやった・・・よくやったギブス!!」と言わんばかりに、額を合わせて称える。
本来的にLBのライバルであるギブスにこういう態度を示せるのが、
ナチョと言う人間が、如何に出来た人間であるかという一幕であろう。単純にカッコイイよね。
もひとつやっぱ押さえておきたいFA杯ユナイテッド戦の先制ゴール。
いや~、痺れるッスよナチョ先輩。僕ナチョ先輩に付いて行くッス。
スワンズにゴミスをぶつけられて決勝点を二度もかっさらわれるシーンがあったが(あれはホントに苦い思い出でしたね)
来季はパウリスタも居るんで、まあしばらくCBをやる機会はきっと無いでしょう。
14-15シーズン選手総評・B(2)
4番 ペア・メルテザッカー 評価・B
出場 ゴール アシスト イエロー
FAカップ 4 2 0 0
チャンピオンズリーグ 9 0 0 0
プレミアリーグ 35 0 1 2
リーグ戦績
合計 | 35試合出場(3150分間) 0 ゴール | |||
出場試合勝率 | 54.3% (チーム平均:57.9%) | |||
先発試合勝率 | 54.3% (チーム平均:57.9%) | |||
出場試合平均勝ち点 | 1.89 (チーム平均:1.97) | |||
先発試合平均勝ち点 | 1.89 (チーム平均:1.97) |
MrセーフティのBFG。トータル出場時間4293分で受けたイエローカードがたった2枚は凄い。
ドイツがW杯決勝まで勝ち進んだ影響もあり、チーム合流は他のメンツに比べて遅れ、開幕戦には間に合わなかった。
そのおかげでシーズン序盤まあ~本人のコンディションが低かった。
加えて影響したのは序盤早くから相方コシェルニーの不在。これが響いた。
CBの相方がナチョ、チャンバース、ドビュッシーとコロコロ変えられた日にゃあ、そりゃ持てる力も発揮するのは難しいでしょうよ。
メルテザッカー本人は「W杯優勝で気が抜けていた。身が入らなかった」とは言ってるものの、相次ぐ負傷者でバックラインが固定されなかった事はかなり難しい状況だったようにも思える。
ジェイミー・キャラガーが「バックラインつーのはチームの中にもう一個小さなチームがあるような感覚なんだべ」と言ってたが
それぐらいバックラインは練度・約束事・信頼(コミュニケーション)が重要だと言う話だろう。ましてや2CBの相方となれば尚更か。
コシェが復帰してからはやはり不動の鉄壁CBコンビへと変貌。
常にセーフティに危険を退ける一貫したプレイは、チームに大きく寄与した。
頼れる副キャプテン。アルテタの去就次第では来季は正キャプテンか。
16番 アーロン・ラムジー 評価・B
出場 ゴール アシスト イエロー レッド
コミュニティーシールド 1 1 1 0 0
FAカップ 4 0 0 1 0
チャンピオンズリーグ 7 3 1 2 1
プレミアリーグ 29 6 6 6 0
リーグ戦績
合計 | 29試合出場(2009分間) 6 ゴール | |||
出場試合勝率 | 55.2% (チーム平均:57.9%) | |||
先発試合勝率 | 47.8% (チーム平均:57.9%) | |||
出場試合平均勝ち点 | 1.93 (チーム平均:1.97) | |||
先発試合平均勝ち点 | 1.74 (チーム平均:1.97) |
Mrダイナモ。当初4-1-4-1のインサイドハーフを任されるが苦労してた。
前季は攻撃時に空いてるスペース・スペースに入って決定的な仕事をしたが
それはエジルやジルーが「ラムジーが突けるスペースを作っていたから」だった。だから3列目でもあんなにゴール出来た。
それが陣形変更+2節目でジルーが戦線離脱、エジルも7節目で戦線離脱となると中々ラムジーにとって苦しいシーズンスタートだったかも知れない。
事実コミュニティ・シールド、開幕戦、2節目と連続でゴールしてたが(途中で負傷もあったけれど)
次にゴールを決めたのは12月6日アウェイのストーク戦だった。
「ウィルシャーの為の4-1-4-1」が事実上消滅した中盤戦以降はドンドン持ち味を発揮し始める。
前季程得点力でチームに貢献という感じではなかったが(それでも結構取ってるけど)
シーズン通して彼の運動量や球際の競り、或いは局面突破はチームに大きく貢献したのではないか。
終盤戦はRMFを務める事になったが依然本人は「中央が良い」と言い続けてる。
11番 メスト・エジル 評価・B
出場 ゴール アシスト イエロー
FAカップ 5 1 2 0
チャンピオンズリーグ 5 0 1 2
プレミアリーグ 22 4 5 0
リーグ戦績
合計 | 22試合出場(1859分間) 4 ゴール | |||
出場試合勝率 | 54.5% (チーム平均:57.9%) | |||
先発試合勝率 | 52.4% (チーム平均:57.9%) | |||
出場試合平均勝ち点 | 1.95 (チーム平均:1.97) | |||
先発試合平均勝ち点 | 1.90 (チーム平均:1.97) |
Mr魔術師。近代型ファンタジスタ。カウンターサッカーの申し子。壊し屋。
エジルに対しては本当は言いたい事が凄く多いので、なるべく短くまとめるようにします。
ブラジルW杯優勝の影響もあってチーム合流が遅れたドイツ代表MF。
そのせいで序盤中々コンディションが上がってこなくて苦労していた。しかもそのまま負傷離脱。
前半戦はほとんど良いところが無いままに終わり、復帰したのは1月11日のストーク戦の途中出場だった。
その復帰した姿になんとなく違和感。エジルは離脱時と比べ一回り体の厚みが増した状態で戻ってきた。しかし本当に驚きだったのはその体付きよりもプレイ内容だった。
復帰を果たして2列目を任されたエジルは以降終盤戦まで好プレーを連発。一時的に囁かれた「エジル不要論」を一蹴。またリーグ8連勝にも大きく貢献。
一試合平均の走行量もさる事ながらチーム随一のチャンスクリエイターに。
時にゆるやかに、時にしなやかに、時に静かに、時に間髪なく一瞬に、時に優雅に、とにかくエジルは多種多様な攻撃アイデアを持ち合わせている。
たまに見てる側が「え?」と思うようなプレイ判断や、変態級のダイレクトフリックもかます始末。
自分がもし相手チームの選手だったら怖気がするような、非情且つ殺傷力の高い一手を繰り出すその様はもはやピッチ上の必殺仕事人。いや半分ギャグだけど半分本気で。
やはり来季はシーズン通して活躍するところが見たい選手。
14-15シーズン選手総評・B(1)
7番 トマシュ・ロシツキー 評価・B
出場 ゴール アシスト イエロー
コミュニティーシールド 1 0 0 0
キャピタルワンカップ 1 0 0 1
FAカップ 3 1 1 0
チャンピオンズリーグ 4 0 0 0
プレミアリーグ 15 2 1 1
リーグ戦績
合計 | 15試合出場(576分間) 2 ゴール | |||
出場試合勝率 | 73.3% (チーム平均:57.9%) | |||
先発試合勝率 | 80.0% (チーム平均:57.9%) | |||
出場試合平均勝ち点 | 2.27 (チーム平均:1.97) | |||
先発試合平均勝ち点 | 2.40 (チーム平均:1.97) |
Mrリトル・モーツァルト。或いは攻撃のタクト。この人が2列目に入ると攻撃テンポが変わる。
特にカゾーラ・ウィルシャー・エジルあたりと絡むとショートパスをバシバシ繋ぐので
さながら協奏曲か、はたまた連弾か。とにかくなんか芸術的。
また近年は闘魂溢れる(無茶な)タックルまでかましてくれるので、
この人が居るだけでグーナーの熱が一段階上がる気がする。
特にFAカップ対ブライトン戦で見せたミドルは鮮烈だった。
ちなみにリーグ戦、先発試合勝率80% 先発試合平均勝ち点2.40と かなり高い数字。
ボスに聞きたい「なんでロシツキさんあんまり使わんのや!?」と。
いやホントに、使わないぐらいならロシツキさんの為にも出場機会が多いであろうクラブに行かせてやって欲しい。
この人あと3年はトップフォームでフットボール出来るはず。
39番 エクトル・ベジェリン 評価・B
出場 ゴール アシスト イエロー
キャピタルワンカップ 1 0 0 0
FAカップ 3 0 0 1
チャンピオンズリーグ 4 0 0 1
プレミアリーグ 20 2 1 5
リーグ戦績
合計 | 20試合出場(1563分間) 2 ゴール | |||
出場試合勝率 | 65.0% (チーム平均:57.9%) | |||
先発試合勝率 | 58.8% (チーム平均:57.9%) | |||
出場試合平均勝ち点 | 2.15 (チーム平均:1.97) | |||
先発試合平均勝ち点 | 2.00 (チーム平均:1.97) |
14-15シーズン最も頭角をあらわした若手。元バルサカンテラーノのスペイン人RB。
ドビュッシーの負傷離脱とチャンバースのRBのプレイがイマイチだった事もあり
この若手が14年末ぐらいからドンドン頭角をあらわしてきた。
ベジェリンの一番凄かったところは一試合一試合、目に見えて成長していく様。
それはある意味でグーナーにとって最も心地の良い瞬間かも知れない。
サブチーム時代のプレイを見た事あったけど、その頃から追走守備
(後ろから追っかけて相手のボールを奪うプレイ)がやたら上手かった。
被カウンター時に走力で負けてるシーンはほとんど無い。
またコクランと組んで相手の左を封殺するシーンも散見された。
印象に残ったのは対リヴァプール戦の先制点のシーン。
右からラムジーと共に相手の左を切り崩し、中央に侵入、ラムジーからボールを受け、一旦切り返してそのまま逆足でシュート。
綺麗な弧を描いてミニョレの脇を通過しゴールネットを揺らした時確信した。こいつはグレートだぜ!と。
目下の課題はやはり対面守備とドビュッシーのような水際の強さが求められるだろうか。
5番 ガブリエル・パウリスタ 評価・B
出場 ゴール アシスト イエロー
FAカップ 2 0 0 2
プレミアリーグ 6 0 1 0
リーグ戦績
合計 | 6試合出場(348分間) 0 ゴール | |||
出場試合勝率 | 100.0% (チーム平均:57.9%) | |||
先発試合勝率 | 100.0% (チーム平均:57.9%) | |||
出場試合平均勝ち点 | 3.00 (チーム平均:1.97) | |||
先発試合平均勝ち点 | 3.00 (チーム平均:1.97) |
冬にビジャレアルから移籍金約1300~1500£で獲得。ブラジリアンCB。
夏に出て行った元キャプテン・フェルマーレンの5番を引き継ぐ。
「もし夏にパウリスタを獲得していれば・・・」という事が悔やまれかねない。
シーズン序盤にコシェが負傷離脱した際、もしパウリスタが居ればその代役が務まった可能性が十分高い。
同じストッパータイプのCBとしてタックル・空中戦・鋭い出足に於いてコシェルニーに全く引けを取ってないからだ。
特に水際の体の張る様と、被カウンター時に極めて冷静に対処した様は素晴らしかった。
そういうプレイ一つでチームがどれだけ助かるか。少ない試合出場ながらも貢献度は大きかった。
DFが安定した力を発揮するにはある程度の固定されたメンバーである事が要されるが、
来季のパウリスタの扱いはどうなるだろうか。ともかくポテンシャルは高い。当たり補強。
ちなみに出場した8試合の勝率は100%。
14-15シーズン選手総評・C(2)
15番 アレクサンダー・マーク・デイヴィッド・"アレックス"・オックスレイド=チェンバレン 評価・C
出場 ゴール アシスト イエロー
コミュニティーシールド 1 0 0 0
キャピタルワンカップ 1 0 0 0
FAカップ 3 0 2 0
チャンピオンズリーグ 9 2 2 0
プレミアリーグ 23 1 1 4
リーグ戦績
合計 | 23試合出場(1493分間) 1 ゴール | |||
出場試合勝率 | 52.2% (チーム平均:57.9%) | |||
先発試合勝率 | 52.9% (チーム平均:57.9%) | |||
出場試合平均勝ち点 | 1.83 (チーム平均:1.97) | |||
先発試合平均勝ち点 | 1.82 (チーム平均:1.97) |
突進する重戦車。ある意味ガナーズの中で最もRMFらしいRMFと言える。
14-15シーズン開始当初、ヴェンゲル監督は「ウィルシャーのブレイクを第一義」としてたが裏テーマにはチェンバレンのブレイクを目論んでたのではなかろうか。
思えば前季CLベスト16アリアンツアレーナでバイエルン相手に何者も寄せ付けず一人独走したチェンバレンの姿はガナーズの希望の光そのものだったようにも思う。
ともかくウォルコットの不在もありシーズン開始から指揮官の信頼は高かった。
シーズン中盤から負傷により出場機会は減少した。
推進力も突破力も、或いはガムシャラな守備も全体的には一回り成長したシーズンだったのではないか。
特に印象的だったのはFAカップ対ユナイテッド戦のナチョの先制点のシーン。
エジルからパスを受けたチェンバレンは右から敵陣をえぐって中央に侵入、3.4人に寄せられるが引き剥がし、オーバーラップしてフリーだったモンレアルにパスを通し見事なアシストを演出した。
またCLベスト16ホームモナコ戦の起死回生ミドルは鮮烈だった。(その後何故かロスタイムでもう一失点すると言う珍事が起こるが・・・)
ラストプレーの精度と判断も徐々に改善されつつあり、来季は更なる飛躍があるかもしれない。
アーセナルの2列目は激戦区だがチェンバレンはそこに割って入れる可能性のある若手と言える。
23番 ダニー・ウェルベック 評価・C
出場 ゴール アシスト イエロー
FAカップ 3 1 0 0
チャンピオンズリーグ 6 3 0 1
プレミアリーグ 25 4 3 3
リーグ戦績
合計 | 25試合出場(1664分間) 4 ゴール | |||
出場試合勝率 | 60.0% (チーム平均:57.9%) | |||
先発試合勝率 | 55.6% (チーム平均:57.9%) | |||
出場試合平均勝ち点 | 2.00 (チーム平均:1.97) | |||
先発試合平均勝ち点 | 1.89 (チーム平均:1.97) |
14年夏の移籍期間最終日にマンチェスター・Uから1600万£で獲得。
9月からのチーム合流だったが、チームにフィットするのがかなり早かった気がする。
ジルーの不在もあってトップ起用されたが、ジルーが戻ったらRMFに。
サンチェス同様に夏の補強でヴェンゲルが重要視したのは「チームの為に攻撃時も守備時も走る事を厭わない選手」だったので、ウェルベックもそういう選手。
彼が走り回ってボール奪取するシーンは何度も散見された。
しなやかなで柔軟な身体と爆発力のあるスピードは、さながらピッチに降り立った黒く美しいジャガーを連想させる。
加えてあのルーニーに「チームの為に走りすぎる」と言わしめた程の献身性まで併せ持つ選手。
ただ一つ難点だったのはフィニッシュの精度と、大事なシーンで味方と噛み合わないシーンがちらほら。
シーズン終盤は負傷の影響もあり出場機会は減少、途中投入の機会も増えた。
(ただ僕はジョーカー扱いのウェルベックは有効手だと思ってるけど)
印象的だったのは言うまでもなくFA杯ユナイテッド戦での決勝ゴール。あれは泣いた。今だに思い出して泣きそうになる。
来季はもっと敵の喉笛を噛みちぎって絶命させるような、美しく無慈悲な一撃を見せて頂きたい。
14番 テオ・ウォルコット 評価・C
出場 ゴール アシスト イエロー
FAカップ 5 2 0 0
チャンピオンズリーグ 2 0 0 0
プレミアリーグ 14 5 0 0
リーグ戦績
合計 | 14試合出場(441分間) 5 ゴール | |||
出場試合勝率 | 50.0% (チーム平均:57.9%) | |||
先発試合勝率 | 100.0% (チーム平均:57.9%) | |||
出場試合平均勝ち点 | 1.71 (チーム平均:1.97) | |||
先発試合平均勝ち点 | 3.00 (チーム平均:1.97) |
Mr鉄砲玉。前季FA杯スパーズ戦で靭帯断裂の大怪我から長らく間が空いて11月1日バーンリー戦にて途中出場でカムバック。
途中出場で一緒に入ったポドルスキと共に相手をボッコボコにしてたんで「こりゃイケる!やっと戻ってきたな!」と思いきや
何故か鼻クソ・ホジソンが復帰したばかりのウォルコットをイングランド代表に持っていき
案の定、練習中に鼠径部を痛めてまた復帰が遅れた。次にウォルコットが出場したのは1月1日のセインツ戦だった。ホジソン死ねっ
ただ、この頃からRMFに入っても守備はしないし味方がボールを保持したら早々と相手のDFライン際までスルスル上がって
そこで動き回るわけでもなく、只々裏抜けだけを考えて動く、みたいな完全に自分を飛び道具だと思い込んでるようなプレイを露呈。
「お前!守備しないのはまだしも、組み立てにすら参加せんとはどういう事じゃ!12-13のプレイをもう忘れたんか!」
と彼の大ファンの僕もこういう文句を言いたくなる始末だった。
一向に改善されそうも無いので、僕は諦めてこう考えることにした。
「ウォルコットは鉄砲玉だ。難しい事をあれこれ考えず、ただひたすら相手の裏を狙い、相手の土手っ腹を突き刺したらもうそれでいい」と。
そしたらシーズン終盤にようやく鉄砲玉が役目を果たす。
5月17日オールドトラフォードでユナイテッドに価千金の同点弾を叩き込んだのを皮切りに
5月24日最終節ワントップを任されたWBA戦ではハットトリックをかまし
5月30日FA杯決勝ヴィラ戦では先制点を挙げた。
シーズン終盤に一気にグーナーのハートをガッチリキャッチする大活躍を見せる。(僕のハートにいたっては鷲掴みにされました)
ただシーズン通すとそこまでチームに貢献できていないので評価はC。
来季は怪我なく戦い抜いて頂きたい。
14-15シーズン選手総評・C(1)
2番 マテュー・ドビュッシー 評価・C
出場 ゴール アシスト イエロー レッド
コミュニティーシールド 1 0 0 0 0
FAカップ 1 0 0 0 0
チャンピオンズリーグ 3 0 0 4 1
プレミアリーグ 10 1 0 2 0
リーグ戦績
合計 | 10試合出場(808分間) 1 ゴール | |||
出場試合勝率 | 50.0% (チーム平均:57.9%) | |||
先発試合勝率 | 50.0% (チーム平均:57.9%) | |||
出場試合平均勝ち点 | 1.90 (チーム平均:1.97) | |||
先発試合平均勝ち点 | 1.90 (チーム平均:1.97) |
出場をすれば常に安定したプレーを見せ、攻守の潤滑剤になった。夏にニューキャッスルから1000万£の移籍金で加入したフランス代表イケメンRB。
彼のアーセナル加入一年目は、度重なる負傷により不遇な一年になった事は間違いない。
シーズン序盤DFの相次ぐ負傷者が続出した為、不慣れなCBポジションを任される事もあった。
特に球際で激しく相手選手に体を寄せる姿や、
水際で体を張ってブロックしまくる姿は若手には持ち合わせていない頼もしさを感じさせてくれる。どうしてヴェンゲルがサニャの後釜に彼を選んだのか、よく理解できた。(ちなみに僕は14年の夏にはオーリエだ!オーリエ取れ!つってた)
彼の不在中にメキメキとベジェリンが頭角をあらわしてきたので
来季もアーセナルのRBポジション争いは熾烈になる事が予想される。
が、やはり総合力ではこの人が頭一つ抜けていると思うので、若手に易々とその座を渡しはしないだろう。
来季はシーズン通してのプレイが見たい。
3番 キーラン・ギブス 評価・C
出場 ゴール アシスト イエロー
コミュニティーシールド 1 0 0 0
FAカップ 3 0 1 0
チャンピオンズリーグ 7 1 0 0
プレミアリーグ 22 0 3 3
リーグ戦績
合計 | 22試合出場(1658分間) 0 ゴール | |||
出場試合勝率 | 59.1% (チーム平均:57.9%) | |||
先発試合勝率 | 50.0% (チーム平均:57.9%) | |||
出場試合平均勝ち点 | 1.95 (チーム平均:1.97) | |||
先発試合平均勝ち点 | 1.72 (チーム平均:1.97) |
アーセナルに於いて最も安定したポジション争いはLBだろう。
(アンドレ・サントスとかいう訳の分からんのが居なくなった以降)
何故かギブスが不調になればナチョが好調になり、ナチョが不調になればギブスが好調になる、というサイクルが続けられている。チームとしては「いいとこ取り」が出来るのでありがたい話。
今季は良いところもそれなりにあったけど、あまり目立った活躍は無かった。
それぐらいナチョが良すぎたシーズンと言えなくもない。
来季は左からのカットインを覚えて決定的な仕事をいっぱいしましょう。
21番 カラム・チャンバース 評価・C
出場 ゴール アシスト イエロー レッド
コミュニティーシールド 1 0 0 0 0
キャピタルワンカップ 1 0 0 0 0
FAカップ 4 0 1 0 0
チャンピオンズリーグ 7 0 1 1 0
プレミアリーグ 23 1 1 9 1
リーグ戦績
合計 | 23試合出場(1570分間) 1 ゴール | |||
出場試合勝率 | 56.5% (チーム平均:57.9%) | |||
先発試合勝率 | 52.9% (チーム平均:57.9%) | |||
出場試合平均勝ち点 | 1.91 (チーム平均:1.97) | |||
先発試合平均勝ち点 | 1.76 (チーム平均:1.97) |
夏にサウサンプトンから1600万£と決して安くない値段で加入した若手イングランド人DF。
ちなみにサウサンプトン時代は控えのRB。
プレシーズンから若手らしくない落ち着きで好守を見せつけ、いきなりレギュラー入りしそうな勢いがあったが
シーズンインすると徐々に粗さが目立ち始め、シーズン中盤からは先発入りする機会が減少。
相手に「抜かれる」と判断した時、焦って後ろから手をかける手癖の悪いところがある。
ベジェリンの台頭もあってRBのポジションは完全に奪われた。また(ほとんどギャンブルな)CMF起用もあったがあえなく失敗に終わる。
しかし空中戦と対面DF、ロングフィードに光るものがあり、将来的にはメルテザッカーの後釜はチャンバースだと期待している。優れたカバータイプCBに成りうる素質はある。
いつの日か「14年の夏に払った1600万£は破格の安さだった」と世間に言わしめる日が来ると思う。
ブレイクするのは・・・3年後か4年後かな・・・。
こういうルールで
14-15シーズンも終わってみれば
コミュニティ・シールドでシティを3-0で下し、まず一冠。
FAカップ優勝で、二冠。
リーグは3位でCLストレートイン。
CLはベスト16止まり(これだけが・・・・)
総合すると個人的には中々良い成績だなと思えるんですけど
皆さん的にはどうだったんでしょうか?
さて次からは14-15シーズンの選手総評をやるつもりなんですが
ざっとこういうルールでやろうかなと
S・もう最高言うことなし
A・素晴らしかった
B・良かったですよ
C・可もなく不可もなく
D・もっと頑張りましょう
E・他所のチームを当たりな・・・
発表順はCランク→Bランク→Aランク→Sランク(1名)→Dランク→Eランク
になるかなと。
また番外編でレンタル組の総評もざざざーっとやるつもりでございまふ。
まあそんな感じでテケトーに見てくれたら幸いです。
それではCランクからどうぞ。